ホットドッグは「熱い犬」?

英語を日本語に直訳するとおかしなものはいくつもあります。「ホットドッグ(Hot Dog)」もその一つで、ソーセージをパンで挟んだ食べ物の事ですが、直訳すると「熱い犬」という意味になってしまいます。一体どうしてホットドッグと呼ばれるようになったのでしょうか。その語源をご紹介します。

「熱い犬」で間違いではなかった

日本ではソーセージをパンで挟んだものをホットドッグといいますが、海外では温めたソーセージそのものをホットドッグと呼ぶことが多いのです。ホットドッグの発祥説は様々ありますが、どれも内容は似ていて、ソーセージを売っていた屋台が、熱々のソーセージをお客さんに提供したい。しかしお客さんは熱すぎて手で持てなかったため、パンに挟んで提供しだした。というのが起源のようです。

ではなぜ「ホットドッグ」と呼ばれるようになったのでしょうか。

これは当初使われていたソーセージであるフランクフルトが、胴の長い猟犬「ダックスフンド」に似ているというところから、ダックスフンドソーセージという愛称が付けられていました。手軽に食べられる食事としてスポーツ観戦時をしながら食べるのに最適とのことで、人気を博していきます。そして新聞のスポーツ漫画に、パンに挟まれた熱々の犬の絵と共に「ホットドッグ」と書かれていたことから、瞬く間に反響を呼び、親しまれていったのです。

ちなみに先述した通り、海外ではソーセージそのものをホットドッグと呼ぶので、日本でいうアメリカンドッグ(コーンドッグ)もホットドッグと呼ばれることがあるようです。

「野次馬」ってどんな馬?

野次馬とは、ある出来事が起こった際に面白半分で集まる人々の事を指す言葉ですが、なぜ「馬」という字が使われるのでしょうか。野次馬の語源についてご紹介します。

野次馬の語源

野次馬とは「親父馬(おやじうま)」が詰まって転訛したもので、本来は「歳をとった馬」という意味です。ではなぜその言葉が、事故や事件など見たさに集まる群衆を指す言葉になったのでしょうか。

とある説によると、歳をとってしまった親父馬は、ただただ若い馬の後をついていくことしか出来ないため、役に立たないという事から、事故や事件現場で無意味に騒ぎ立てる群衆を「親父馬(野次馬)」と蔑む意味で使われるようになったのです。この言葉から発展したものが、「野次を飛ばす」や「野次る」などという動詞になります。

野次馬は被害者にとっては非常に迷惑なものかも知れませんが、その例えに使われた馬はもっと迷惑なのではないでしょうか。

フリーマーケットの意味は「自由な市場」ではない

日曜日の公園、様々な品物を持ち寄ってバザーを開き、ワイワイと賑わいを見せる。そんな光景が日本でも度々見られます。この時持ち寄る商品は家庭にある不要なもので、その分値段も驚くほど安いものです。これらのバザーの事を「フリーマーケット」と呼びますが、多くの方はこの売買方法から「自由な市場」と思っている方が多いのではないでしょうか。

自由だけど自由じゃない

「蚤(のみ)の市」という言葉を聞いたことがあると思います。蚤の市と聞くと、出品されている商品は骨董品などの印象が強いですが、そんな事はありません。「フリーマーケット」という言葉を日本語に直訳すると「蚤の市」となるのです。つまりフリーマーケットのフリーとは、「Free(自由)」ではなく「Flea(蚤)」という意味なのです。

フリーマーケットは海外から伝来された文化の一つで、海外では主に古着がメインの商品として扱われることが多かったのです。この事から、蚤が湧くほど古い衣類を扱う市場として、フリーマーケットと呼ばれるようになりました。これがいつからかマーケットの規模が大きくなり、古いものから新品未使用品まで、幅広いジャンルの商品が扱われるようになったというワケです。

「包丁」と「まな板」の語源

料理を作る際には絶対に必要なものといえば、包丁まな板でしょう。今では当たり前のように使用している調理器具ですが、その名前の由来について学びましょう。

包丁の語源

包丁は中国から日本へと伝わった器具です。包丁を当時の言葉で書くと「庖丁」と書きます。「庖」とは中国語で、料理人の身分を表す言葉でした。そして「丁」とは、なんと人名だったのです。

丁さんは中国で有名な料理人でした。この名誉ある料理人を讃え、食材を切るための刃物全般を「庖丁」と呼ぶようになったのです。

まな板の語源

まな板を漢字で書くと「真菜板」と書きます。この「菜」とは、主食以外の副菜のことを指します。昔は動物性の食材が非常に貴重だったため、真の菜は動物の肉や魚であるとされていたのです。

肉や魚には骨があるため、頑丈な板を敷く必要がありました。そこで、用いられる板の事を「真菜板」と呼ぶようになったのです。

ビフテキはビーフステーキの略ではない

かつては高級食とされたビフテキですが、今では大衆食になっているのでしょうか。分厚い牛肉のスライスを豪快に焼いたビフテキは、ビーフステーキ語だと思っている方が多いのではないでしょうか。

ビフテキはなんの略?

ビフテキはフランス語でビーフステーキを意味する「ビフテック(bifteck)」が、日本語風に発音されたものになります。ではビフテックの語源は何なのでしょうか。

実はビフテックの語源は、英語のビーフステーキなのです。ということはビフテキは間接的にビーフステーキの略語と言えるのでしょうか。

さらに話をややこしくすると、英語のビーフは、フランス語で牛を意味する「ブッフ」が語源であると言われています。

おやつの時間は2時が正しい?

3時のおやつ」とは昔から言われていること。では一体どれくらい昔から言われているのかというと、実は江戸時代には既に使われていたといいます。そして正確には3時ではなく「2時のおやつ」が正しいということなのですが、どういったことなのでしょうか。

八つの鐘の音

「おやつ」は今でこそお菓子のことを指しますが、その語源は鐘の音なのです。江戸時代には今のように時計があったわけではありません。時計の代わりとして、鐘の音の数で時間を知らせていたのです。とは言っても一つ鳴らすから1時というわけではありません。鐘の音が四つから九つまでの6回に分けていました。

つまり四つ鐘の音を付いたとしても、4時というわけではないのです。そして「おやつ」とはつまり鐘の音を八つ付く時間のこと。八つ時とは今で言う2時頃の事を指していました。そういうわけで、おやつは2時に食べるのが正解と言えるでしょう。

左利きをなぜ「サウスポー」と呼ぶのか

ボクシング、野球、テニスなどのスポーツから、楽器の演奏者にいたるまで、左利きの選手は「サウスポー」と呼ばれます。このサウスポーという言葉の語源は何なのでしょうか。

野球が起源だった

野球場は一般的にホームから2塁を結ぶ直線が東北東を向くように設計されています。これはルールブックにも記載されている事項なのです。しかし一部のスタジアムでは例外もあります。なぜ東北東を向くように立てるべきとされているかは、日差しの問題。午後の強い日差しが観戦の妨げにならないようにするための配慮なのです。

そんな雑学はさておき、サウスポーの話に戻りましょう。サウスポーは英語で「South Paw」と書きますが、日本語に直訳すると「南の前足」となります。スタジアムが東北東を向いているということは、投手が左手で振りかぶった際、南の方角を向くことになります。これがサウスポーと呼ばれる語源です。

また、アメリカの南部出身の選手に左利きが多かったからという説もありますが、前述した理由の方が有力視されているようです。

蛇口の事を「カラン」と呼ぶのはなぜ?

蛇口の説明書きを見てみると、「カラン」という文字が書いてある事があります。このカランとは一体どういう意味なのでしょうか。

カランは何語?

カランの語源はオランダ語の「クラーン(kraan)」であると言われています。クラーンとは日本語で「鶴」を意味します。蛇口から伸びた水道管が、まるで鶴の首の様に見えることからクラーンと呼ばれるようになり、それが転じて「カラン」になったのです。

この「クラーン」を語源とするもの言葉がもう一つあります。それは工事現場などで使用されるクレーン車の「クレーン」という言葉です。

同じ「クラーン」という単語から、二つの異なる単語が誕生したのです。

七夕の彦星と織姫は恋人同士ではない

7月7日の七夕といえば、天の川を挟んで離れ離れになってしまった彦星と織姫が年に一度だけ会える日。という言い伝えが印象深いですが、実際のところはそんなロマンチックな話ではありませんでした。

本当の物語

昔々、天の川のそばには天の神が住んでいました。天の神には、織姫という一人の娘がいました。織姫は機を織って、神様たちの着物を作る仕事をしていました。年が過ぎ、天の神は娘に対してお婿さんを探してきました。それが天の川の岸で牛を飼っている、彦星という若者です。

二人は結婚して、仲の良い夫婦となり、楽しく時を過ごしていました。すると二人は仕事をしなくなるようになり、遊んでばかりの生活を送るようになりました。

この話を聞いた天の神は怒ってしまい、二人を離れ離れにしたのです。しかし織姫があまりにも悲しそうにしているのを見て、一年に一度、七月七日の夜にだけ、彦星と会ってもよいという許しが与えられました。

そもそも二人は恋人同士ではない

つまり二人は恋人同士というわけではなく、夫婦だったのです。そして堕落した生活に活を入れられ、罰を与えられているというのですから自業自得な気もしてきます。さらに七夕の夜に天の川を挟んで出会う二人の距離は、なんと16光年。kmに変換すると約150兆kmになります。これでは会っているとは言えないのではないでしょうか。

「ベジタリアン」は「野菜しか食べない人」ではない?

ベジタリアンと言えば、日本語では「菜食主義者」と言い、動物から生成される食品以外、すなわち野菜しか食べないという印象が強いですが、実際の意味は少し違うようです。

ベジタリアンの語源

ベジタリアンは19世紀にマンチェスターの聖書教会の会員によって行われた、近代ベジタリアン運動によって生まれたとされます。穀物・野菜・豆類などの植物性食品のみを摂取しようという運動です。

ここで誕生した「ベジタリアン(vegetarian)」という言葉は、野菜を意味する「ベジタブル(vegetable)」が語源ではなく、「健全な/新鮮な/元気のある」という意味のラテン語 「ベゲトゥス(vegetus)」が語源になっています。

その言葉の通り、野菜だけを食べるのがベジタリアンなのではなく、卵や乳製品などは本人の自由意志によって食べて良いとされています。

ベジタリアンにもランクがある

面白いことに、どこまでの食品を口にするかによって、ベジタリアンはいくつかのランクに分けられています。

ビーガン/ピュア・ベジタリアン

動物や卵、乳製品を口にしないだけではなく、動物から作られる衣類も着用することはしません。動物を殺める事自体を出来る限り止めようという考えを持っているのです。

ラクト・ベジタリアン

野菜に加え乳製品を食べる人たちの事。

ラクト・オボ・ベジタリアン

野菜、乳製品に加えて卵を食べる人たちの事。多くのベジタリアンはこのラクト・オボ・ベジタリアンであるとされています。


実はこれ以外にも細かくカテゴライズされているのですが、大まかな分け方はこのようになっています。ベジタリアンは「野菜しか食べない」という単純な考えではなく、自然界を深く考えた思想を持った人たちで、その理念は一口で語ることが出来ない程です。